障がい者採用がしやすい時期ってあるの?公開データから検証してみました

この記事のポイント

  • 障がい者の新規求職数は10月に多いほか、ハローワークの就職面接会に合わせ伸びる傾向がある
  • 障がい者就職件数は求職者数の変化や、学校卒業時期などが影響する
  • 求職者が多く、採用件数が少ない月に採用実施すると、採用がしやすいと言えそうである

毎年5月に前年度のハローワークを通じた障がい者の就職件数のデータが公開されます。今回は、東京都の公開データから、企業の障がい者採用がしやすい時期について、考えてみたいと思います。

新規求職者数の月ごとの変化の関連性は?

まず、各障がい種別における新規求職者数が、平均よりも多い月の洗い出しからはじめてみたいと思います。

表:身体障がい者の新規求職者数(平成25年)
全体合計 7,736名
各月平均 645名
4月 766名
5月 768名
6月 652名
10月 897名
1月 713名
表:知的障がい者の新規求職者数(平成25年)
全体合計 3,229名
各月平均 269名
4月 766名
5月 367名
8月 310名
9月 297名
10月 304名
2月 343名
表:精神障がい者の新規求職者数(平成25年)
全体合計 7,317名
各月平均 610名
4月 766名
5月 655名
6月 695名
10月 813名
1月 667名
2月 707名

すべての障がい種別について求職者数が平均以上となる月が10月でした。10月は都内全体ではないのですが、各ハローワークにて就職面接会が実施されております。

また身体障がい者及び精神障がい者は5月~6月、知的障がい者と精神障がい者は2月が平均以上となりました。これは東京都内のハローワーク全体で合同の就職面接会が5月と2月に実施されるために増加しているものと考えられます。

すなわち、求職者数の伸びはハローワークにおける就職面接会に関連づいているものと考えられます。求職者側も就職面接会にあわせて就職活動をしているとも言えそうです。

採用に適した月は何月か?

次に同様にして、各障がい種別における就職者数が、月平均以上の月を洗い出してみたいと思います。

表:身体障がい者の就職者数
全体合計 2,158名
各月平均 180名
4月 207名
5月 213名
6月 225名
10月 197名
11月 200名

【求人時期】身体障がい者の就職件数については新規求職者数の伸びに従って、連動する傾向があります。ただし、1月の求職者数の増加に関しては就職件数の増加に結び付いていないので採用の狙い目としては、1月が有力と考えられます。

表:知的障がい者の就職者数
全体合計 1,495名
各月平均 125名
4月 464名
5月 164名
6月 193名

知的障がい者の就職はほぼ年度初めの4、5、6月に集中します。知的障がい者の就職はほとんどが学校からの卒業と同時に就職に移るため、この傾向になると考えらます。

【求人時期】4~6月だけでなく、8~10月にも求職者としては増加する傾向がありますが、採用の増加に結び付いていないので8~10月が狙い目と考えられます。

表:精神障がい者の就職者数
全体合計 2,150名
各月平均 179名
5月 194名
7月 188名
8月 187名
9月 213名
10月 202名
11月 189名
12月 189名

精神障がい者の就職は9月~12月に集中しております。この傾向は「6/1(ロクイチ)報告」後に行政からの指導を回避するために障がい者の採用の要因があると考えらます。

【求人時期】精神障がい者の求職者数の伸びの傾向をみると1~2月に増加していますので、この時期に採用活動を行うのが良いのかもしれません。

まとめますと、身体障がい者及び精神障がい者の採用に関しては1~2月、知的障がい者に関しては8~10月が採用のしやすくなる時期と考えられます。

年々、障がい者採用が過熱する中で、いかに効率よく採用活動を行うかは企業における障がい者採用のポイントの一つになると考えられます。障がい者採用も新卒採用などと同様に傾向がありますので、ぜひこのようなデータを活用して効率の良い採用につながると良いと思います。

(参考)東京労働局
平成25年度都内ハローワークにおける障害者の職業紹介状況について

 


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