職場で障害者と健常者のコミュニケーションがうまくいかない理由

\障害者の接し方でお悩みの障害者雇用ご担当者様 必見/

職場コミュニケーションにおける障害者の意識は主に2つ

・「障害者として接してほしい」というひと。
・「健常者と同じように接してほしい」というひと。

障害者を大きく2つに分けるならば、こんな分け方ができるかもしれません。

どちらがいい、悪いというわけではなく、障害当事者本人の志向の問題です。障害が軽いながらも障害者として接してほしいひともいれば、障害が重いながらも健常者と同じように接してほしいひともいます。障害の種類や程度によって明確に整理されるものではなく、障害を負った原因によって整理されるわけでもありません。障害者一人ひとりの意識によって変わるものです。

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同じように考えると、障害者の周囲にいる健常者側にも2種類いると言えるのかもしれません。

職場コミュニケーションにおける健常者の意識は主に2つ

・「障害者を障害者として接する」というひと。
・「障害者を健常者と同じように接する」というひと。

困ったことがあったらなにか手伝おう。配慮できることがあったら何でも言ってね。大変そうだなあ。そういった気持ちや言葉は、「障害者を障害者として接する」という側にいるひとつの例えです。

「障害があるとか関係ない」というひともいることはいますが、少数派だなという印象を拭いきれません。これもどちらがいい、悪いというわけではなく、一人ひとりの価値観に背景があるものです。

障害者雇用を例にとると「障害者として接してほしい」という障害者が勤め先から「健常者と同じことを求められる」「障害者であるが故に必要な配慮が為されない」という状態に陥ったならば、職場に対する不信感やストレスが高まります。「俺は君のことを障害者として意識していない。一緒に頑張ろうぜ!」なんていう上司に当たってしまえば、これは悲劇です。上司に悪気はまったくないのですが。

離職理由の上位項目にも「職場での配慮不足」は挙げられることが多いですが、「障害者として接してほしい」は「働くうえで配慮が欲しい」とほぼ同意見なので、職場から「健常者と同じように扱われている」という気持ちは「障害者として考えられていない」という失望につながるのです。

反対のケースで考えれば、障害があったとしても、健常者と同じように接してほしい、特別扱いしないでほしいと願う障害者社員に対して、障害者扱いすると本人がヘソを曲げてしまうのは明らかです。

「そんなに無理しなくていいよ」「体調悪くなったらすぐに言ってね」という言葉は、障害者社員に対する配慮、声かけとしては誤っているわけではありませんが、特別扱いしてほしくないと思っている障害者社員にすれば、「やっぱり自分は障害者なんだ」と突きつけられていることと同じです。

健常者と同じように接してほしいという想いの裏には、障害があろうとなかろうと関係ないというガッツがあるひと、本当に配慮を必要としていないひと、まだ障害者であることを受け入れられないひと、いろいろな感情があります。障害者を障害者として扱うことは、相手によってはリスクが存在しているのです。

「障害者として接してほしい」&「障害者として接する」が確率論的には合致しやすいのではないかと考えられますが、人間同士、確率論だけでコミュニケーションがうまくいくのであれば今の社会の問題のほとんどが解決してしまいそうな気がします。障害者側がどのように接してほしいのか、健常者側がどのように接していきたいのかという点をすり合わせることができれば、健常者と障害者という観点でのコミュニケーション上のトラブルは起きないでしょう。

障害者雇用を進める企業、そしてその職場が、障害者雇用において必要な配慮を施した上で、雇用した障害者社員を障害者として接していくのか、障害は関係ないという意思のもと、健常者と同じように接していくのか。これは企業の姿勢の問題なので、どちらがいい、悪いという話ではありません。ただ、大切なことは、企業の姿勢を明確にした上で、雇用する障害者の意識を面接等で察していくことです。

ここにミスマッチが生まれれば、職場内での良好な人間関係が築けず、早期離職や職場内での疲弊感へつながってしまいます。

「職場ではどのような配慮があると働きやすいですか」という質問の回答から、案外、障害者自身がどのように自分を見てほしいのか分かるものです。障害者雇用において求職者を面接する方々が、ただ配慮すべき項目を聞き出すだけでなく、その奥底にある、障害者として接してほしいのか、健常者と同じように接してほしいのかという意識まで汲み取ることができれば、よりよい障害者雇用につながるのではないかと思います。



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