2016年6月13日更新

グラスゴーに見たコモンウェルスゲームズのレガシー


Start NEXT!読者のみなさまこんにちは!株式会社セプティメルスポーツの水上航太郎です。6/5(日)開催のパラトライアスロン大会の取材のため、イギリスのグラスゴーを訪れていました。実はグラスゴー訪問は初めてではなく、2015年7月のIPC水泳世界選手権の際にも来ています。中心部が非常にコンパクトでとても過ごしやすい街ですね。

 

さて、ヨーロッパの中でも決して大都市とは言えないグラスゴーで、1年で2度も国際的な障がい者スポーツ大会が開催される。これは果たして偶然なのでしょうか。

 

答えは「NO」。どちらの大会も、2014年にグラスゴーで開催された第20回コモンウェルスゲームズというスポーツ大会のレガシーなのです。日本ではあまり聞き慣れない大会ですが、コモンウェルスと呼ばれるイギリス連邦に所属する国や地域(イギリスを構成するイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4地域や、オーストラリアやインド、南アフリカ等)が参加し、4年に1度行われる一大スポーツイベントです。

 

2002年のマンチェスター大会から障がい者スポーツが導入され、2014年大会では陸上、水泳、ローンボール、パワーリフティング、自転車の5競技22種目が実施されました。次回の2018年のゴールドコースト大会では、障がい者スポーツ種目は過去最大規模となり、陸上、水泳、ローンボール、パワーリフティング、自転車、卓球、トライアスロンの7競技38種目が行われる予定となっています。コモンウェルス諸国の障がい者スポーツ選手にとっては、パラリンピックや世界選手権、大陸別選手権に並ぶ重要な大会へと成長していくのでしょう。

 

 

2015IPC水泳世界選手権会場のトルクロス国際スイミングセンター
2015IPC水泳世界選手権会場のトルクロス国際スイミングセンター

 

 

話を戻しますが、先日のパラトライアスロン大会は、2014年のコモンウェルスゲームズでトライアスロン会場となった、ストラスクライド・カントリー・パークで開催。2015年のIPC水泳世界選手権は、コモンウェルスゲームズの水泳会場となったトルクロス国際スイミングセンターが舞台でした。どちらもコモンウェルスゲームズのために建設されたものではなく既存の施設。同じ会場で同じ種目の大会を開くというソフト面でのレガシーです。ちなみに障がい者スポーツ以外でも、グラスゴーでは2015年に体操の世界選手権や馬術のヨーロッパ選手権が開催されました。国際大会が開かれれば多くの人が街を訪れ、経済効果を生み出します。そういった意味では、コモンウェルスゲームズ開催に投下したコストを着実に回収しつつあると言えるでしょう。

 

 

ストラスクライド・カントリー・パークの看板。右下に2014年コモンウェルスゲームズの会場だったことが明記されている。
ストラスクライド・カントリー・パークの看板。右下に2014年コモンウェルスゲームズの会場だったことが明記されている。

 

 

新国立競技場などの施設面の問題がクローズアップされる2020年東京オリンピック・パラリンピックですが、パラリンピックの競技会場はほぼ確定済み。新設・既設を問わずハード面ではこれから大きな動きはないでしょう。ここからの4年間で重要なのはソフト面。大会が始まるまで、そして開催期間中に、我々がどのように障がい者スポーツを体験できるのか。そしてパラリンピック終了後に、どのように体験し続けられるのか。グラスゴーで起こっている、この「体験の継続」というソフト面のレガシーを東京でも起こすには何が必要なのでしょうか。

 

例えば、障がい者スポーツの大会やイベントに積極的に観戦・参加することで、自治体や競技団体へ障害者スポーツに興味を持っていることを行動で示す。その結果、彼らも継続的に大会等を開催しようという考えに傾いていくのではないでしょうか。1人1人の小さなアクションの積み重ねが、パラリンピックのレガシーを作り上げていくのだと思います。

 

20160623emori_rogo 株式会社セプティメルスポーツ
水上 航太郎
1981年札幌市生まれ。
1993年のJリーグ発足をきっかけに、スポーツ観戦がライフワークの1つとなる。サッカー好きが高じて大学卒業後にバルセロナに渡り、現地で日本向けのライター職などをしながら3年スペインに滞在。帰国後はIT関係職に就きスポーツを趣味として楽しんでいたが、2013年に株式会社セプティメルスポーツを設立し現在に至る。
趣味は旅行とスポーツ観戦。最近特に好きなスポーツはアメフト、クリケット、ボッチャ。
株式会社セプティメルスポーツ
パラタイムズ

 

 


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StartNEXT!編集部
この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。

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