2021年2月8日更新

これからの障がい者雇用のカタチ!IMAGICA GROUPが挑んだリモート支援の軌跡

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新型コロナウイルスの影響により、障がい者雇用のあり方も大きく変わろうとしています。

そんな中、株式会社スタートライン(以下、スタートライン)主催のウェビナーEXPO2020~障がい者雇用withコロナ~が開催されました。

ウェビナーEXPO2020~障がい者雇用withコロナ~とは?

ウェビナーEXPOは、全6日間、各日1テーマの全6テーマで構成されています。
障がい者雇用に関するテーマ毎に、スタートラインの提供する「障がい者向けサテライトオフィスサービス(以下、サテライトオフィス)」を利用している企業の障がい者雇用担当者をお迎えし、各社の取り組み事例を紹介しています。

障がい者向けサテライトオフィスサービスとは?

第3回目は、映像コンテンツ業界を牽引する株式会社IMAGICA GROUPのコーポレートサービス本部 業務サポート部 横浜サテライトオフィス課長 廣井 正彦氏ご登壇のもと『これからの障がい者雇用のカタチ!IMAGICA GROUP(以下、イマジカグループ)が挑んだリモート支援の軌跡』というテーマでお話がありました。

株式会社IMAGICA GROUP コーポレートサービス本部 業務サポート部 横浜サテライトオフィス課長 廣井 正彦 氏

障がい者雇用を取り組む企業の人事担当者の中には

・障がい者雇用に取り組みたいけれどコロナ禍での対応がわからない
・障がい者の働き方をどうすればいいかわからない
・障がい者がリモートでも業務できるのか不安

このようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、新型コロナウイルスによって余儀なくされたテレワーク、その過程において組織としてどのように取り組んだのか、テレワークによる社員の変化や支援事例をご紹介します。

テレワークに移行するときのポイントや、リモート支援の具体的な手法がわかる内容になっております。

障がい者雇用を取り組むうえで、ぜひ参考にしてください。

目次


新型コロナウイルス発生以前のテレワークの状況

■イマジカグループの障がい者雇用の状況について教えていただけますか?

現在、横浜のサテライトオフィスでは11名の障がい者がお仕事をしています。
精神障がい者が7名、発達障がい者が2名、身体障がい者が2名という状況です。

主な業務内容は、グループ企業の事務業務ということで、イマジカグループの業務や事業会社の業務をしていただいています。

具体的には人事総務や経理、IT系業務などを行っています。

■新型コロナウイルス発生以前のテレワークの実施状況はいかがでしたか?

本社では、2019年12月にテレワークのトライアルをスタートさせました。
その時点での取り組みは、ワークライフバランスの推進や、2020年オリンピック・パラリンピックによる交通事情の影響なども鑑みて始めたという背景がありました。

翌年、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大により、3月16日から本社ではテレワークを正式にスタートさせたという状況です。

しかし、その時点では、横浜の障がい者が働いているサテライトオフィスはテレワークの対象ではありませんでした。

■なぜ、サテライトオフィスはテレワークの対象外だったのでしょうか?

本社は遠距離通勤をしている方が多いのに対し、サテライトオフィスでは近くに住んでいる方が多かったという点がひとつ理由として挙げられます。

会社としてネックになっているのは、テレワークにして勤怠の安定ができるのか、テレワークにして障がい者がちゃんと仕事ができるのかという点でした。

テレワークにすると、就労環境や支援の部分が今まで通りできなくなってしまうことになるので、総合的な判断からサテライトオフィスはテレワークの対象外としていました。

■当時、サテライトオフィスではどのような点がうまくいっていたのでしょうか?

サテライトオフィスでは、スタートラインさんのスタッフによるきめ細やかなサポートがありました。

障がい者の体調やメンタル不調があった場合にはすぐにご対応いただけていたというところが一番大きかったなと思います。

■一方で、当時の障がい者雇用の課題は何でしたか?

勤怠の不安定さが起因して、退職してしまった方がいました。

その方は、体調不良でお休みをしていたのですが、お休みしたことに対して罪悪感があり、休みが長期化してしまいました。勤怠が不安定になるケースが多かったことが課題でした。

また、障がい者の中で、社会人経験にばらつきがあったため、対応の仕方にもばらつきが生まれてしまったことが課題でしたね。

しかし、これは課題というだけではなく、良いこともありました。

社会人経験の豊富な方もいたため、その方にチームリーダーとなってもらいました。業務や社会人の基礎などを、社会人経験の浅い人に教えてもらうという役割を担ってもらうことができました。
この体制は、今も続けています。

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新型コロナウイルスの影響による変化

■新型コロナウイルスの影響によって、テレワークへと移行された経緯を教えていただけますか?

2020年3月16日から本社でテレワークの正式運用を開始しました。

この頃から、都内でもコロナウイルス感染者が増えてきていましたので、3月30日から本社は完全に原則テレワークになりました。

そうなると横浜のサテライトオフィスの障がい者は不安になります。
内部疾患のある方もいたので、そういった方がコロナウイルスに感染すると、命に関わる問題になるので、すぐにでも対応しなければならないと思い、人事部に提案をしました。

そして、横浜のサテライトオフィスでもテレワークへ移行する形となりました。

■テレワークへの移行を提案されたとき、会社側はどのような反応でしたか?

勤怠の安定が見込めるのかというところと、仕事がしっかりできるのかという点に不安を抱えているような反応でした。

また、サテライトオフィスの業務には人事の業務も含まれているため、個人情報やセキュリティ面の不安もありました。

■テレワークへの移行はどのように行われたのでしょうか?

まずは、サテライトオフィス独自のテレワークのガイドラインを作りました。
勤怠の安定のために、出社している時と生活リズムを変えないようにするというルールを定めたり、出退勤や休憩の時はリーダーとこまめに挨拶をしたりといった工夫をしました。

■テレワークへ移行したときの障がいのあるメンバーの様子や反応はいかがでしたか?

障がいのあるメンバーのEさんの事例を紹介します。
Eさんは社会不安障がいがあります。完全テレワークが解除された後に勤怠が不安定になり、7月から2週間ほどの休養を取ることになりました。

4月10日からサテライトオフィスでもテレワークに移行したのですが、はじめは分散出社で様子を見ていました。

完全テレワークに移行したのは5月から6月中旬の間で、その後は出社型に戻していきました。
その際にEさんの勤怠が不安定になったという状況です。

■Eさんの休養の原因は、社内の変化についていけなかったことが原因なのでしょうか?

社会不安障がいのあるEさんにとって、通勤はかなり強いストレスでした。

テレワークへの移行によって通勤から解放されたような感じで、Eさんの勤怠は安定していました。しかし、出社型に戻したことにより、再び通勤に対するストレスがかかったことが大きな原因だと思っています。

通勤や、生活リズムの変化などから、テレワークに移行するより、テレワークから出社型に戻す方が難しいと感じましたね。

■休養されたEさんへはどのような支援を行われましたか?

業務に復帰してもらうことを前提にしておりました。そのため、まずは、復帰するためのプログラムを設定しました。

最初はテレワークにて、休養前の業務マニュアルの読み返しなど、復帰のためのリハビリをしてもらいました。

そして、時差出勤でオフィスに来てもらい、スタートラインさんのスタッフのサポートで、ワークサンプル( MWS )(注1)とACT(Acceptance & Commitment Therapy)(注2)を実施して、業務に耐えられるかを検証していただいたというところです。

■支援の際のEさんの様子や、ワークサンプルやACTの活用方法を教えてください。

スタートラインのスタッフ:ワークサンプルは、模擬業務のような形で、休憩の取り方やミスの頻度など、そしてそのミスをどうカバーしているかというところを、入社当初のデータと比較しました。

そして、Eさんには休憩の取り方に課題が見つかったので、改善が必要だという話をご本人にお話ししました。
ACTについては、心理教育と面談を行いました。その面談によって、これまでに明らかになっていなかった症状が出てきたので、それらの症状が不調の原因になっているのかもしれないという見立てにつながりました。

業務復帰までの準備期間を設けていただいたのはサポートする側としてもプラスになったと思います。

■準備期間を経て、現在Eさんはどのようなご状況ですか?

支援いただいた結果、復帰できるだろうという判断をしました。
復帰の際には、本人の負担を減らせるように出社率を下げたシフトを組んだりしましたね。

順調に復帰できており、継続して面談などのフォローを行っています。

もう1人、Sさんの事例を紹介します。

Sさんは感覚過敏の特性がある方で、細かな環境変化にうまく順応できなくて、疲れが溜まってしまうという状況でした。
Sさんの担当業務が変わってしまったこともあり、体調を崩してしまいました。

■Sさんはその後どのような状況ですか?

週末には疲れが溜まってしまう様子なので、出社するのを週の前半にし、週の後半をテレワークにするという形にしています。

そして、Sさんにはマルチタスクが難しいという判断で、業務量を減らしました。
こうした取り組みがうまくいったため、現在も順調に活躍しています。

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現在(2020年11月時点)のテレワークの状況はどうか

■現在(2020年11月時点)のテレワークの状況はいかがですか?

現在の勤務状況はオフィス出勤を半分、テレワークを半分という状況です。
必要に応じて、オンラインでの面談や、業務連絡を行っています。

テレワーク導入後の業務内容や成果に関しては、テレワーク導入前と比べてあまり支障は出ていません。

■リモートでの支援だからこそ気をつけていることはありますか?

オンラインで対応するのが難しいことは、出社時にケアをするように心がけています。

オンラインだと表情を感じ取るのは難しいですし、会話も直接話すよりスムーズではないですからね。

■多様な働き方の実現は今後も進めていきたいですか?

はい。今後もどんどん進めていきたいと思います。
出社とテレワークを本人の希望とも合わせて、臨機応変に対応していきたいですね。

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まとめ:臨機応変に対応して障がいのあるメンバーのパフォーマンスを最大化

テレワークの方が、業務効率が上がる人もいれば、出社してみんなと仕事をする方が合っている人もいます。

働く人に最大限のパフォーマンスをしてもらうために、テレワークはひとつの選択肢として考えてもらうことが重要なポイントです。

イマジカグループが考えるテレワーク・リモート支援とは、柔軟な試行錯誤を続けながら、健やかに働いてもらう組織を作っていくことです。

注1:ワークサンプル( MWS )
国立職業リハビリテーションセンターをはじめとした障がい者の支援機関等でも活用されている『職場適応促進のためのトータルパッケージ』に含まれる「ワークサンプル( MWS )』。
目的:作業遂行力の確認、自己理解の深化
効果:必要な補完方法を事前に取り入れることができ、休憩のセルフマネジメント向上

注2:ACT(Acceptance & Commitment Therapy)
認知行動療法の「第三の波」のひとつとされる最新の科学的な心理療法です。人の心の動きに関する基礎的な研究成果に基づいており、主にうつ病などの精神医療の治療・援助に用いられています。ACTは2000年頃から心理療法として欧米に広まり、現在では日本も含め急速に世界中に広がっています。



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株式会社スタートラインは、様々な障がい者雇用支援サービスを提供しております。
興味をお持ちいただけた方は、まずお気軽にご相談ください。


この記事を書いた人

STARTNEXT!

StartNEXT!編集部
この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。



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