2019年3月29日更新

合格率9%!初の障がい者限定国家公務員試験~結果から見る障がい者雇用のこれから~

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合格率9%!初の障がい者限定国家公務員試験 結果から見る障がい者雇用のこれから

桜の花が満開目前となりました。
サクラサク、ということで今日は国の障がい者雇用/採用状況についてお伝えをしたいと思います。

初の障がい者限定国家公務員試験、申し込み人数は約8,700名

2018年、中央省庁をはじめとした全国の自治体では、障がい者雇用数の不適切計上問題がありました。
中央省庁では約3,700名、自治体では約3,800名の不適切計上を行っていたことが明らかになりました。

2018年12月に募集を開始した中央省庁の試験(国家公務員障害者選考試験)へは約8,700名と多くの方が応募されました。現在企業就労されている障がい者が約50万人と言われていますので、約2%の方がこの試験に申し込んだという結果です。

実際、本件に関し企業の人事担当者へお話を伺いました。すると、在籍する障がい者社員から「この試験を受けたい」という話や「合格をしたら転職を検討している」という相談を受けた方が複数いらっしゃいました。

初の障がい者限定の国家公務員採用試験ということで、数字等からも大変注目されていたことがわかります。

精神障がい者の面接合格率、身体障がい者の約1/2

その大規模な試験の合格発表が3月22日の10時、人事院のホームページに掲載されています。

上記の結果から、いくつかのポイントをお伝えします。

●採用予定人数676名に対し、実際の合格者は754名と当初計画の約1.1倍の採用人数

●国税庁は50名採用予定のところ、90名と1.8倍の採用人数

● 1次選考(筆記)を通過された障がい者が約2,300名

●精神障がい者の合格数が、約430名(1次選考通過人数:約1,600名 合格率27%

●身体障がい者の合格数が、約320名(1次選考通過人数:約700名 合格率46%

●障がい種別の採用割合は、精神障がい者約6割:身体障がい者約4割

採用人数だけを見ると、精神障がい者が身体障がい者よりも多くなっています。
しかし面接の合格率で見ると、精神障がい者は、身体障がい者の1/2。

精神障がいの方だと

●どのようなお仕事を任せてよいのか?
●どのような配慮をすればよいのか?
●コミュニケーションに悩んでしまうのではないか?

等、なかなか一歩を踏み出しづらいところがあるかもしれません。

令和からの障がい者雇用、課題は『採用』と『定着』

大規模な採用の完了後は、職場への定着課題が出てくると予想されます。
不適切計上になっていた人数分の採用はまだまだ完了していません。
国、地方公共団体等では障がい者雇用率は2.5%に設定されています。(民間企業は2.2%)

また、退職が発生することも十分に考えられます。省庁個別での採用活動も継続していますし、今後も採用活動は積極的に行われていくでしょう。

国も企業も精神障がい者を積極的に雇用する時代に

『バリアフリー』や『ユニバーサルデザイン』と、身体障がい者への配慮の言葉は認知度が高くなってきました。身体障がい者への配慮は過去の経験から学べる部分もあり、受け入れる体制も整ってきました。

2018年4月には精神障がい者の雇用義務化がはじまりました。国でもようやく精神障がい者の受け入れが始まっているものの、精神障がい者の雇用経験がほとんどないことによるコミュニケーションや配慮への悩みは企業と同じだと推測されます。

身体障がい者も高齢化が進んでいる昨今、今までと同じように身体障がい者中心の採用だけでは人材の確保が難しくなっています。

企業就労の障がい者で、今回の試験に合格した方もいらっしゃるでしょう。その分、企業は共に働く仲間となる障がい者を新たに採用する必要がありますし、障がい者の法定雇用率は2021年3月末までにさらに上昇します。

新規の『精神福祉手帳取得件数』や『精神障がい者新規求職者数』は、ここ数年急伸しています。これまで以上に精神障がい者の採用はより多くの組織で必要となるでしょう。

今後は国も企業も、精神障がい者の積極な雇用を検討していくフェーズにあるのではないでしょうか。

今回受験された皆様は、短い期間での筆記試験、面接と、熱心に準備をされ、そして手に入れた合格だと思います。
もし身近にこの試験に合格された方がいらっしゃれば、それはその方の努力の成果が実ったことですので、ぜひともおめでとうございますと声をかけてさしあげてください。


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この記事を書いた人

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StartNEXT!編集部
この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。



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