2018年9月27日更新

神経のトラブル“統合失調症とは

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統合失調症イメージ

統合失調症と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?
私は「幻聴」「幻覚」が生じる病気(障がい)、という認識をしていました。しかし、それだけではないですし、人によって症状がかなり違っていることに気が付きました。
統合失調症がどんな病気なのか、就職活動のお手伝いをさせていただいた方々のエピソードを交えてお伝えします。
まずは、統合失調症がどんな病気(障がい)なのか、お話します。

”まとめる力”の低下

統合する力が失われる神経系の病気(障がい)です。
一貫した、まとまりのある行動をとることは簡単なことではありません。
見聞きしている情報や、考えをまとめて相手に伝えることや、感情を抑えたり、気を紛らわせてリラックスすることなども含めて、普段何気なく行っている行動は神経を使っています。このような統合機能はストレスや疲労、不安などで動揺し易いと言われます。
神経の統合機能の動揺が長引いてしまうと普段見られない異常が生じます。
代表的な統合失調症の症状は

・幻覚
・幻聴
・不眠
・物音や光に対して過敏になる
・不安、緊張、興奮が極端に高まる
・突然の無気力感
・疲労感

このようにたくさんの症状が確認されておりますが、これらの症状が必ずしも皆に起こるとは限りません。
統合失調症の経過によっても異なりますし、個人によっても現れる症状は異なります。日常生活の統合機能のトラブルの影響は、いつも行っている着替えの手順を忘れてしまったり、仲の良い複数の友人と話している会話の内容が何を話しているのか分からなくなったりします。そのため発症以降、人間関係に悩む方は多いです。このような統合失調症ですが、珍しくない障がいなのです。

日本での患者数は60万人以上

「統合失調症」あまり聞いたことがない方もいるかもしれませんが、日本では100人に1人は統合失調症を発症している計算になるほどの、患者数がいます。
統合失調症を発症する原因は明確になっていません。家族問題、進学、就職、独立、結婚など、生活において大きな変化が契機となることが多いようです。
しかし、それらはあくまでもきっかけに過ぎず、直接的な原因とは言い切れないようです。
現在も、発症の原因を明確にする研究は進んでいるようですよ。
原因は明確になっていない障がいですが、どのような症状が主にみられるのか、診断の基準に沿って改めてお伝えします。

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診断基準となる4つの症状

診断基準として国際的に決まっている事項があります。それが下記の4つです。

1.妄想

特に統合失調症の症状としての妄想内容は、「誰かに見られている」「誰かに悪口を言われている」「意地悪をされた」「自分の考えが周囲に漏れている」といったケースが多いです。単にそのような「気がする」のであれば対人恐怖症やうつ病の方にも該当するのですが、強くその状態を信じている状態は統合失調症の症状です。

2. 幻覚

幻覚自体は、何もないところに知覚が生じている状態のことですが、統合失調症の場合、「自分に対して何か語り掛けられている、声がする」という事象が該当します。

3.思考と行動の異常

支離滅裂な会話内容、頻繁に話題と異なる話を突然始める、相手の話の的がつかめない、行動能率が悪い、作業のミスが増える、などの思考や行動傾向があります。 

4. 陰性症状

1から3までのような明確な症状がなくて、単に思考や行動のまとまりが無く、引きこもるような内気が生じたりなど、感情表現が乏しく意欲低下のみの症状の場合を「陰性症状」と判断することも有ります。どのような症状であれ、神経のトラブルによって生じていることで、本人に悪気はありません。それらの症状に理解を頂くことで、ご本人も安心して治療しながら仕事が出来ます。

社会復帰のポイントの1つは”偏見”の解消

【休みなしで睡眠時間も3時間程度の中根詰めて就業していたことが原因で発症した30代男性】
発症当時は「早くやれ」「仕事が遅い」などの声が聞こえていた(幻聴)
幻聴の症状は服薬により治まっているが、発症以降、非常に頭が疲れやすくなってしまった。
即座に、情報の整理が出来なくなってしまったことや、情報の整理に時間が掛かるだけではなくエネルギーの消費が激しくなった。そのため、現在の職場では業務の優先順位を明確にして取り掛かることや、会議に出席した際の議事録担当を外してもらうなどの配慮をしてもらい週5日就業している。

【同僚と家族から「支離滅裂な会話で話にならない」と言われ、受診したところ診断を受けた40代女性】
服薬により状態は改善されたが、環境の変化に対しての順応が遅くなり、順応するまで不眠に陥りやすくなった。不眠も頓服薬にて対応が出来ているため、就業に際して支障は出ていない。しかし、睡眠時間の確保と一定の生活リズムにするため、残業はしないことに配慮をしてもらい週5日のフルタイムで就業中

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まとめ

早期に適切な治療を行うことで、多くの患者様が社会復帰をしています。
それでも、少なからず発症前とは疲れやすさなどの違いはあるので、ご本人の障がい理解はもちろんですが、周囲の方々の障がい理解も必要です。
どんな働き方であれば、体調が安定して働くことが出来るのか。診断を受けている方は、その点をしっかり説明できるようにご自身と向き合い就職準備してください。
採用される企業の皆様は、どんな症状が主に現れる方で、どんな働き方であれば安定して働けるのか本人に確認してください。一般的な症状だけを理解するのではなく、その方の症状をご理解いただくと長期安定就労に繋がりますよ。


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この記事を書いた人

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StartNEXT!編集部
この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。

 

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