2018年8月22日更新

精神障がい者の雇用義務化へ向けた対策セミナー ~事例で学ぶ、障がい者雇用のトレンドと先進事例のご紹介~ Part4

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第3部は、株式会社オープンハウス 管理本部人事部長 大隣氏に、司会進行の株式会社スタートライン コンサルティング本部 深山、八王子センター長 佐藤を加えた3名の座談会形式で進められました。セミナー参加者からの質問も受け付け、コスト面の話や注意点など、切り込んだ話題に迫ります。

経営陣への理解の進め方

初めの話題は、実際にGOサインを出す経営陣にどう理解してもらうか、というものでした。大隣氏は直接サテライトオフィスを見学に行った結果その不安は払拭されたとのことですが、障がい者雇用における新しい形のため、多くの方が「果たして本当に上手くいくのか?」と不安に思われます。やはり同様の不安や疑問を持っていた経営陣を、大隣氏は1つずつ丁寧に説明し、理解を進めていったと言います。

やはり一番に気にされていたのが「コスト」面。こちらは「特定求職者雇用開発助成金」などを始めとした助成金を活用することで、問題なくクリアできました。ランニングコストに関しても、障がい者を雇用しなかった場合、障がい者雇用率が未達成の事業主が納付しなければならない「障害者雇用納付金」を加味すると、1人1時間あたり1500円程度に落ち着いたとのことです。

同様に、「リスク」に関する不安もお持ちでした。たとえばサテライトオフィスを導入したはいいものの、そのサテライトオフィスがなくなってしまったら、雇用者にとっても企業にとっても大きな痛手となります。その点に関しては、株式会社スタートライン 代表取締役 西村より「たとえスタートラインがなくなったとしても、最後まで責任を持って同業他社に雇用を切り替える」との説明がなされたと言います。代表取締役からの力強い言葉に、大隣氏も経営陣も「これはいける」と確信できました。

業務の切り出しにおける注意点

第2部でも大隣氏からお話があったように、業務は納期に余裕があり、ある程度のボリュームがあるもの、という観点から切り出されていきました。1つ切り出されると「あれも」「じゃぁこれも」と増えていき、今では切り出したい業務があるけれど、人員的にこれ以上業務を増やせないためにセーブしているほどだと言います。

どの企業でも最初の切り出しは非常に難しい問題です。そのため、初めのうちはサテライトオフィススタッフとともに進められることも多くあります。たとえば業務があまり切り出されない場合は、サテライトオフィスの従業員が何をできるのか、本社の従業員がわかっていないことがほとんど。「過去にこんな仕事をした」「こんなスキルを持っている」など、「このようなことができる」というリストを作成したところ、業務が切り出されるようになりました。

逆にサテライトオフィスの従業員が頑張りすぎるあまり、負担が大きくなってしまわないようにブレーキをかける役目もサテライトオフィスの常駐スタッフは持っています。あまりに詰め込みすぎると、それが不調の原因になってしまうのです。「まずはここまで」というステップを設け、クリアしたらその次へ、と段階を踏んでいくことも、長く円滑にサテライトオフィスの運営を続けていく上で大切なことなのです。

メンタルカウンセリングに「ACT」を利用

障がい者の中には、自分の中にある悩みや嫌な感情にとらわれてしまい、目の前の仕事に集中できなくなってしまうなどの弊害に悩まされてしまうことも多くあります。そのような時に「Acceptance & Commitment Therapy」、通称「ACT」を用いてカウンセリングを行っています。

ACTとは受け入れがたい感情や自分の心の中で整理できないものを一旦横に置いておいて、自分が本来すべきことや進むべき方向を整理し、実際にその方向に進むための手段です。たとえば、実際にはしっかりと丁寧に仕事ができているのに、「昨日はこれぐらいできたのに今日はこれだけしかできていない」などの自分を責める感情に支配され、また仕事の効率が下がったり体調を崩したりしてしまうという負のスパイラルに陥ってしまうという事例がありました。そのメンバーは一度は休職したものの、復帰後はACTを使ったエクササイズを続けており、4ヶ月経っても一度も欠勤せず勤怠が安定していると言います。オープンハウス様のサテライトオフィス従業員にも導入されており、現在では本社の従業員のカウンセリングにも役立てているとのことです。

サテライトオフィスの従業員に笑顔で働いてほしい

最後は、大隣氏と佐藤の以下の言葉で締められました。

大隣氏「サテライトオフィスで働いているメンバーは、みんな幸せになってほしいです。では幸せとは何か。それは、仕事もプライベートも充実した状態であると思いました。仕事の充実は、我々の領分です。ただ漫然とこなすだけでなく、やりがいを持って充実してほしい。そんな思いを持っています。」

佐藤「サテライトオフィスの皆さんには、笑顔で働いてほしいんです。僕自身、いますごい仕事が楽しいんですよ。今の仕事が大好きで、やりがいを持って仕事ができているんです。唐突なんですけど、自分は石になりたくて。水の中に石を投げ入れると、波紋が広がりますよね。その波紋のように働く喜びを広げていきたいんです。自分が面白い、楽しいと感じながら仕事をして、その気持ちが僕が関わるサテライトオフィスの皆さんに伝わって、その先にいる大隣部長のような本社の方々、さらにその先にいるオープンハウス様のお客様に広がればこれほど嬉しいことはありません。だから今の目標は、八王子センターのスタッフも含めた全員が、毎日笑顔で働ける職場にすることです。」

どうしても法定雇用率を引き上げるためだけの雇用になってしまう昨今。でもそれは、やり方を知らないだけなのです。しっかりと準備を行って定着を図れば重要な戦力となります。サテライトオフィスは1つの選択肢です。自社に合った障がい者雇用の形を、探してみませんか?

 


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この記事を書いた人

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StartNEXT!編集部
この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。

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