2017年12月12日更新

あなたの目線は合っていますか?障がいのある方と関わるうえで重要な視点の違いについて

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Kundenzufriedenheit

はじめまして、こんにちは。
私はサテライトオフィス(サポート付シェアオフィス)で、各企業様で働く障がいのある方の就労サポートをさせていただいております。
私はもともと、就労継続支援B型の施設で働いていました。今回はそこでの経験と私自身これまでかかわりの多かった、主に知的障がいや発達障がいのある方へのサポートについてお話させていただきたいと思います。

人にとって「働く」ことは、人生の中で大部分を占めるものであり、生活の中でも大きな軸となる方がほとんどだと思います。「働く」現場で起こることが日々の生活に活力をもたらすなど、生きがいにしている方も多いのではないでしょうか。
そしてその仕事に「価値」を見出すものとして、お給料の高さだったり、憧れの職業に就くことだったりするわけですが、今回は「価値ある仕事」=「やりがいのある仕事」にするためにどんな工夫が出来るかを考えてみたいと思います。

そもそも「福祉的就労」と「一般就労」は何が違う?

障がいのある方にとって働く場として、一般的に「福祉的就労(就労継続A型・就労継続B型・就労移行支援)」と「一般就労(主に企業で働くこと)」という大きく分けて2つの選択肢があります。
知的障がいや発達障がいのある方は、一般就労へのチャレンジのハードルが高いことが多く、福祉的就労で働くという選択をされることが多いのが現状です(親御さんが決めることも多いですね)。もらえるお給料や仕事の種類の少なさは、一般就労との大きな違いです。
でもどんな仕事だって、誰だって自分の力で仕事をしていると実感を持てたら嬉しいですし、やる気も沸いてきます。会話していて理解してくれる人が近くにいたら励みになります。
福祉的就労と一般就労に大きな違いはありますが、その方の「生きがい」を充実させるものと考えると、あまり違いはないのではないかと思っています。

視点を変える、想像力豊かにする

私たちが考える「当たり前」と思っているものの見方、感じ方、考え方が、障がいのある方にとっては全く違うものに映っているかもしれません。
出来ないことがあったときに、その理由を上手に伝えられる方たちばかりではありません。「何故出来ないの?」と問いかけるだけでは、その方は苦しくなってしまうかもしれません。障がいのある方にとって、「何が分からないか分からない」はよくありますし、出来ない理由を伝えられないかもしれないことを知っておいて欲しいと思います。

例えば、口頭での会話の内容が理解できていない、何度も話しても伝わっていない気がする、といった方がいたとします。これをやる気がない、無視している、だけで終わりにしてしまうとお互いハッピーになれません。

「もしかしたら・・・こんなことかもしれない」と考えてみます
・会話のスピードが速いかもしれない
・その方が自分に向けた話だと思ってない
・聞いたことを耳だけで理解することが苦手
・発している単語の意味を全く知らない・・・など

このような状態で仕事していると考えてみてください。その上やる気がないと思われているとしたら、ちっとも楽しくないし、怒られるし、何のために毎日出社しているのか、ここにいていいのか?そんなことを考えてしまうかもしれません。

でも、「もしかしたら」をちょっと想像しただけで、出来そうなことから取り組める気がしてきませんか?

★少しゆっくり話してみようか
★こちらを見て注目しているときに話をしてみようか
★一緒にやって見せようか
★マニュアルを写真や図で表現しようか
★別の言葉で言い換えてみようか
★仕事で使う道具に名称、印を記載してみようか

10人いれば10人の特長があって、全員に同じ方法で上手くいくとは限りませんし、すぐに効果が出るとも言い切れません。でも、試してみる価値はあると思います。
自分の価値観を一旦横において、その方との目線を合わせるには、同じ仕事を一緒にやってみるとイメージがわきやすいかもしれません。

実際にこんなことがあった、と共有を受けたことがあります。

ある知的障がいのある方に「その桶を取って」と指示をしました。毎日使っているものだから、当然分かると思って「桶」と表現をしたのです。けれどもその方は全く「その桶」を取ってくれず、「分からない、ないない」と困惑してしまったそうです。
結果的に、この支援者は指示することを諦め、その「桶」を自分で取りにいきました。

では、どうすればお互いハッピーになれたでしょうか?

私は「桶」を「おけ」と認識していなかったのではないかと考えました。その方にとっては「バケツ」だったかもしれない、と。
また「桶」として認識させたいのであれば「おけ」と書いてもいいかもしれません。
もしそこでアプローチを変えていたら、「分からないこと」が「分かる」ようになったかもしれません。次からは進んで運んでくれるようになったかもしれません。

障がいを理由に諦めない、甘やかさない

できないと決め付けずにチャレンジさせて頂きたいと思います。例に出したように、やり方を変えれば出来るようになることもたくさんあるからです。
障がい特性として、一つのことを根気強く行なう、精度高く出来る方も多くいらっしゃいます。その力を活かせるように可能性を信じてみて欲しいなと思います。
そして、「障がいがあるから仕方ない」と物事の良し悪しを伝えずに甘やかしてしまうのは、優しさ、配慮ではありません。
社会人として、一人の大人として、やっていいことと悪いことははっきり伝えることが大切です。時にはビシッと注意をしなければいけない場面もあるかと思います。障がいがあるという理由で何をしても許してしまうのは、一人の大人として見ていないことと同じになってしまいます。本人と真摯に向きあい、理解を促していきましょう。

このようにこちら側の視点を少し変え、障がいをお持ちの方が仕事に取り組みやすい環境を整えることで、「ただこなす、言われたからやる仕事」ではなく、「価値ある仕事」にすることができると思います。

障がいをお持ちの方と関わる私たち自身が目線を変えることで、障がいのある方にとっての、《ちょっとした心の支え》になれるのではないでしょうか。

 


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この記事を書いた人

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StartNEXT!編集部
この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。

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