2017年12月1日更新

障がいを持つ人の対人スキル

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こんにちは。オフィス温度28℃の梶原です。

対人関係がうまくいく。
これは、障がいを持つ人が入社した後、職場に定着し、長く勤務できるかどうかを決める大きな要素になります。
特に、障がいを持っているかどうかが周囲の人からはわかりにくく、また過去の対人関係が原因となって精神障がいを患ったことがある人にとっては、その重要性はなおさら大きくなります。

今日は、企業の人事部や職場で指導役となる方々が障がいを持つ人を受け入れた際に、対人スキルについて指導する具体的なポイントについて、お話したいと思います。

身に着けるべき対人スキルは次の5つに分類することができます。
1)あいさつ・敬語
2)非言語コミュニケーション
3)感情のコントロール
4)意思表示
5)協調性

また、これからお話しすることは、
・対人スキルの習熟度を測る評価項目
としても活用することができます。
それぞれの会社にとって、効果が期待できる形で使っていただければと思います。

それでは一つ一つみていきましょう。
1)あいさつ・敬語:
―出勤や退勤時に、自分からすすんで「おはようございます」「お先に失礼します」と挨拶をしているか?
―周りの人からサポートを受けた際、「ありがとうございます」とお礼を言っているか?
―業務の合間や終了時には、「おつかれさまです」と声をかけているか?
―話しかける際には「今、よろしいですか?」と相手の都合を確認しているか?
―業務中は敬語を使っているか?
 ➢職場の対人コミュニケーションでは、あいさつや敬語がすべての基本になることを理解してもらいましょう。

2)非言語コミュニケーション
―会話をする際、相手に視線を向けているか?
(相手の目を見るのが難しければ、口元を見るのでもOK)
―指導や注意を受けた時に、視線をそらしたりしていないか?
―相手の話を聞くときには、うなずきながら聞くことができているか?
―話しかける時には、相手に不快感を与えない程度の距離を取ることができるか?
 ➢言葉以外に、相手に影響を与えるコミュニケーション(=非言語コミュニケーション)があるということを、上記の一つ一つの項目を通じて、理解してもらいます。

3)感情のコントロール
―業務でわからないことやうまくいかないことがあったとき、言葉ではなく、態度に表していないか?
(モノに当たったり、ため息をついたり、独り言を言うなど)
―自分自身の気分や体調によって、相手に対する反応にムラがないか?
―周りの人の都合や状況を考慮せずに、自分が話したい時に話したいことを話し出していないか?
―注意や指導を受けたとき、返事をしないなど、ふさぎこんだりしていないか?
 ➢この点は、特に精神障がいを持つ人にとっては留意することが求められるケースが多いです。

4)意思表示
―体調が悪い時には、早めに相談することができているか?
―自分自身の体調について、整理して話をすることができているか?
(「睡眠時間がいつもよりも2時間少なく、5時間しか眠れていません。食欲がなく、昨日の夕食と朝食は食べられませんでした。普段の体調が100だとすれば、今日は40です。」等、具体的な事実も含めて説明できるか?)
―業務の指示を受けたら復唱し、確認することができているか?
―業務について不明点があれば、わらかないまま進めるのではなく、随時質問や相談ができているか?
 ➢心配なことがあった時に、そのままにせず、早めに伝えることが重要だということを理解してもらいましょう。

5)協調性
―相手と自分の意見が異なるとき、相手の話を遮るのではなく、最後まで話を聞くことができているか?
―自分のやり方にこだわり、それとは違う方法を指示された時に、受け入れることができているか?
―自分が悪いと思ったときに、口に出して謝ることができているか?
 ➢職場は、自分ひとりではなく、周りの人との関わりによって成り立っている、ということを理解してもらいましょう。

以上が職場における対人スキルの主なポイントです。

対象となる方の特性を勘案しながら、必要と思われる項目について、具体的に提示して習熟を促していきましょう。
入社したての方に対しては、これらの項目を提示することで会社が求める対人スキルを明確に示し、さらには定期的にその習熟度や達成度を測ることで、成長実感を得ることをサポートすることが肝要です。
それともう一つ大事な点は、これらの項目について、対象者自身の自己評価も併せて行うことです。自己評価をすることで、自身の認識と人事部や職場の指導者の認識とのギャップを把握することは、客観的な視点で自身を見つめ直し、さらに成長することに繋がります。

また、
これらの項目は、最初に申し上げた通り、評価項目として活用することができますが、評価の本質的な目的は、
【成長を促し、事業に貢献する力をつけることを支援する】
つまり、
【育成】
です。

評価が給与や賞与などの処遇、そして雇用期間を決める材料になる、というのは、あくまでも副次的な活用法であって主目的ではありません。
人事部の方はもちろんですが、職場の指導者にも、そして何よりも対象となる社員に対して、この本質的な目的をしっかりと意識し続けることができれば、人の成長、組織の成長、事業の成長の原動力となるのではないでしょうか?

 

<プロフィール> オフィス温度28℃代表。専門分野は、障がい者の雇用支援、人材育成、キャリア支援。「自身の特性に向き合う人たちが尊重し合い、自走しながら事業に貢献する組織創り」を基本理念としている。 梶原 温美(かじはら はるみ)
オフィス温度28℃代表。
専門分野は、障がい者の雇用支援、人材育成、キャリア支援。
「自身の特性に向き合う人たちが尊重し合い、自走しながら事業に貢献する組織創り」を基本理念としている。
問い合わせ先
Start Next!運営事務局
startnext@start-line.jp

 


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この記事を書いた人

STARTNEXT!

StartNEXT!編集部
この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。

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