2017年8月10日更新

応募書類から見える人物像・障がい特性把握のポイント!

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StartNEXT!をご覧の皆さま、こんにちは。

私は、日々サテライトオフィス(サポート付きシェアオフィス)にて障がいをお持ちの方をサポートしています。また、オフィスを運営する企業様へ障がい者雇用に関するサポートも行っています。

企業様へのサポートの一環として、『障がい者採用』にも携わらせていただいており、具体的にはオフィス見学会の企画から周知活動に始まり、ご応募いただいた方の書類から推測される障がい特性などを補足し、人事ご担当者様に選考を実施していただいています。

そこで、今回は私が実施している『応募書類から推測される障がい特性・人物像』を推測するポイントを障がい種別毎にご紹介いたします。

身体障がいの特徴と選考ポイント

身体障がいは、身体の運動機能の一部に障がいがあることを指します。
分類としては大きく以下の5つに分かれます。
・視覚障がい
・聴覚障がい、平衡機能障がい
・身体不自由
・心臓、肝臓、呼吸器などの内部障がい
・音声、言語障がい(咀嚼障がいを含む)

ここからは分類(音声、言語障がいを除く)ごとの特徴と選考のポイントについてお話します。

視覚障がいは日常生活において、不自由を感じるほど視力・視野の低下もしくは全く見えないことがあります。その判断基準のひとつとして等級で程度を確認することが出来ます。しかしながら、等級が高いからといって仕事の出来る出来ないの判断はできません。例えば、生まれつき全盲である方と中途で視力低下がある方では、不自由を補う力に差があることが多いからです。不自由を補う力が高ければ、全盲の方でもパソコン入力やデータ集計、伝票整理など様々なお仕事に対応できるといえます。そのため、障がいに応じた補完手段がいかに確立されているかを見る必要があると思います。

聴覚障がい・平衡機能障がいは音を感知する部位のどこかに障がいがあり、音が聞こえにくい、または全く聞こえない状態を指します。また、全てではございませんが音を感知する機能に携わる部位は平衡機能に関連する部位でもありますので、まとめてご紹介させていただきます。
聴覚に障がいをお持ちの方は、「オフィスで働く」観点からコミュニケーションがいかにとれるかが重要です。また、生まれつき障がいをお持ちの方は日本語(言語)の成熟に至っていないケースがあり、意思の疎通がしっかりと取れるかが重要です。
そのため、志望動機や職務経歴書の内容に文章力(日本語力)があるか見る必要があります。一方、文章力(日本語力)が未成熟であってもしっかりとコミュニケーションが図れる可能性もありますので、あわせてコミュニケーションツール(手話・口話・筆談など)がいかに習得できているかも含めて見ることもポイントです。

肢体不自由は手や足の麻痺や欠損、体幹機能の障がいにより日常生活において不自由のある方を指します。もちろん、生まれつき障がいをお持ちの方もいらっしゃいますが、不慮の事故や病気により発症するケースも多く見受けられます。そのため、発症に至った経緯から治療過程、障がいとの向き合い方を確認します。履歴書上では退職や長期のブランクがあるかを確認し、受障のタイミングなどが推測出来ます。また、受障後にお仕事されているようであれば、職務内容から現状の予測も立てられますので、行ってほしい業務と合致するかの確認も取れます。
あわせまして、肢体に不自由があることで通勤への懸念も考えられますので、ご自宅から職場までの時間や手段を確認する必要があります。

内部障がいとは心臓機能障がい、腎臓機能障がい、呼吸器機能障がい、膀胱・直腸機能障がい、小腸機能障がい、免疫機能障がい、肝臓機能障がいの7つを指します。
内部障がいは他の身体障がいと違い、見た目で分からないことが多いです。そのため、ご本人の申告が重要です。履歴書におきましては、ご自身の障がいについてしっかりと記載されているかをご確認のうえ、障がい受容度合いや他者への開示のお考えなど、企業側で行なうべき配慮事項を見ていただくことが必要です。

全体を通してですが、先天性・中途問わずに体の不自由から精神的な影響が体に現われている可能性も考えられます。そのため、通院頻度が多いことや服薬状況などから二次障がいの有無も念頭に置く必要があります。

精神障がい、発達障がい、知的障がいの特徴と選考のポイント

精神疾患を患っている方は様々な症状が見られます。代表的な疾患としては、気分障がい(うつ病・躁うつ病)、自律神経失調症、統合失調症、アルコール依存症、強迫性障がい、適応障がい、パニック障がい・不安障がいなど挙げられます。また、発達障がいや知的障がいの方も精神の手帳もしくは療育手帳をお持ちの方がいらっしゃいます。もちろん、他の疾病名をお持ちの方もたくさんいらっしゃいますが、どの疾患においても「就業できる状態である」ことが選考のポイントです。
そのため、履歴書から現状や発症に至った経緯、障がいに対する対処方法、ストレス耐性など確認していきます。また、就労移行支援事業所などでの訓練経験の有無などでもご自身の障がいとどのように向き合えているかを確認することが出来ます。

履歴書によく書かれている現状の表現として「安定しています」や「主治医からフルタイム可能と言われています」などがあります。しかしながら、何をもって安定しているかが重要となり、根拠となる事象を考察します。
そこで見るポイントとしては
・通院頻度
・職歴(勤続年数)、職務内容
・自己PR(配慮事項)
などから読み取ることが出来ます。
それぞれ、どこに着目して応募者の状況を確認(推測)しているか、ご説明します。

通院頻度からは月にどの程度の通院が必要であり、応募者の安定度が分かることが多いです。月に2回以上の通院が必要な場合、「症状に波があるため、細かな服薬調整が必要」など安定しきれていない可能性が考えられます。しかしながら、回数だけでご判断いただくには情報量が少ないので、下記にご紹介する項目とあわせて判断する必要です。

職歴(勤続年数)、職務内容からは、主にストレス耐性や対人関係スキルの確認が出来ることが多いです。職務内容と勤続年数を比較し、難易度の低い業務では長期雇用できているが、スキルを必要とする仕事では職歴が短いなどがあり、今後行う予定の業務に適しているかを確認することが出来ます。また、他者と関わることの多い業務、お一人で行なうことの多い業務などから、他者とのコミュニケーションスキルの醸成が出来ているか確認できると思います。
職歴ではありませんが、就労移行支援事業所などへの訓練経験が記載されていることもあります。どんな訓練をし、どんなスキルが身についたかなどが書かれていることが多いので、一度内容をご確認いただくことをお勧めします。

自己PR(配慮事項)からは、概ね障がいとの付き合い方が記載されていることが多いです。しっかりとご自身の障がいを理解し、安定に向けた取り組みを実施できているかなどの確認が出来ます。多く見られるパターンとして、「配慮の必要がございません」など記載されることを目にします。こちらにつきましては、記載通り安定している場合もありますが、ご自身の障がいを理解しきれていないからこそ配慮事項を見つけられていないことも考えられます。そのため、本当に安定しているかを他の項目と共にご判断いただく必要があります。

今回書かせていただいた内容につきましては、あくまで推測されやすい事項を見るポイントになります。そのため、全て正しく読み取れるわけではございません。
しかしながら、履歴書上で推測されたことを踏まえて面接に向かうことで、気になるポイントをしっかりと聞くことができ、採用のご判断がつけやすくなります。また、書類選考を行う上で「会社として出来る配慮」をあらためて考えるきっかけにもなります。その結果、少しの配慮でとても良い人材を確保できる可能性も広がるはずです。
障がいをお持ちの方を採用するにあたり、多くの悩みや不明なことがあると思いますが、おさえるべきポイントを把握していただくことで、障がい者雇用へのハードルが低くなれば幸いです。

 


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この記事を書いた人

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StartNEXT!編集部
この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。

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