2017年7月10日更新

求職者向け研修に学ぶ!安定就労する上で大切な3つの視点とアプローチ

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Start NEXT!をご覧の皆さん、こんにちは。

私は現在、スタートラインが取り組むサービスの一つである「求職者向け研修プログラム」の運営を担当しています。

研修期間は約2週間、就労に役立ついろいろなスキルを学んでいただくためのものですが、いわゆる「就職を目指した研修」とはちょっと異なる視点からのアプローチを行なうという部分が特徴です。

 

<研修の2つの目的>

  • 仕事をする上でできること(得意なこと)、できないこと(不得意なこと)を把握し、できないことについては対処方法を見つけること
  • 自分にとって最適な体調管理の方法を学ぶこと

 

つまり、就職が決まることをゴールとせず、入社後の働き方に焦点を当てています。

その方にとっての配慮事項を明確にし、入社後に心身の安定を保ちながら長く働いていけるための自己管理能力(=セルフマネジメントスキル)を身に付けることを目指した、研修プログラムです。

 

参加は身体・知的・精神全ての障がい者を対象としています。

先天性の疾患をお持ちの方、事故や病気などで障がいを負った方や疲労やストレスが起因する精神疾患を発症した中途障がい者の方、就業経験としては一般企業で長年管理職のご経験を積まれた方から、就労未経験の方まで、障がい特性や就業経験は実に様々です。

近年では発達障がいをお持ちの方の参加も急増しており、二次障がいとして精神疾患を併発された方を含めると、実に参加者全体の4割に相当するまでになりました。

 

今回は、研修を行う上で私が特に大切だと感じている3つの視点とアプローチ方法について、お話しをしたいと思います。現在、障がい者を雇用されている現場担当者の方のお役立に立てたら嬉しいです。

 

障がい状況だけではなく、社会的なつながりにも目を向ける

長期安定就労を目指すために、お身体の状態や配慮事項を把握するだけではなく、生活をする上でご本人が大事にしていることや、ご本人を取り巻く社会的なつながり(=ソーシャルサポート)も可能な範囲で共有していくことを大切にしています。

障がい者雇用の現場では、体調が安定している時は特に必要性を感じない場合でも、業務量や人間関係などでストレスが生じた際、誰にも相談できずに1人で悩みを抱え込み、出勤が出来なくなってから初めて周囲が変調に気づく、ということがよく起こります。

これは、その方が頑張りすぎてしまう傾向があるということはもちろんですが、そもそも「誰に相談していいのか分からない…」「こんな些細なことを相談しても迷惑ではないか…」というような、状況に応じた相談先を整理できていなかったり、日常的に悩みごとを発信する習慣が身についていないことが影響している場合があります。

そのため、研修プログラムの中では、家族関係・友人関係・医療機関や就労移行機関との関係性を一緒に整理する時間を設けています。「困った時にサポートしてくれる人がいる」ということを改めて認識いただくことで、働く上での安心感につながると考えています。また、現場の方々がこれらを把握することで、体調悪化が生じた際に関係機関との連携を取りながらサポートを行なうことができるという安心感にもつながると考えています。

 

疲労やストレスが生じる状況を把握し対処方法を一緒に振り返る

認知機能の障がいや、発達障がいの方によくみられるケースですが、長時間集中して作業を頑張りすぎてしまい、ご本人が自覚しないまま脳の疲労が蓄積しミスが多発してしまったり、体調悪化の引き金になってしまう方がいらっしゃいます。

適切な休憩を自発的に取得できればよいのですが、中には「休憩は昼休み以外に取得してはけない」「業務中の休憩=トイレのみ」など、自分でルールを決めている方などもおり、休憩は取得しているつもりなのに、なかなか疲労感が解消されないというような問題を抱えていることがあります。

そういった方々に対しては、ミスが多く発生する時間帯・作業内容・作業量・作業時間などを一緒に振り返り、疲労が生じやすい場面を整理した上で、休憩時間を決めて取得いただくようにしています。また、自ら身体の状態を把握し、疲労感をためない作業ペースを確立していけるように、休憩の取得前と取得後の疲労感の変化も一緒に振り返って確認をしていきます。疲労やストレスの対処方法を身に付けることは、自身の障がいを認識し配慮事項を明確にすることにもつながり、就労後のミスマッチを防ぐ役割もあると考えています。

 

できたことについて、自分で自分を褒めてもらう習慣をつける

日々、参加者の方と関わっていて感じること。それは、できないことに目が向きがちであるということです。ついつい他者と比べてしまったり、苦手なことのみに囚われてしまい、何とか克服しようと頑張って自分を追い込んでしまったり…。障がいの有無にかかわらず、皆さんも少なからずご経験があるのではないでしょうか。

障がいをお持ちの方は、生活上困りごとが多くなりがちなので、このようなお気持ちを強く抱いてしまう場面が多くなるのではないかと思います。

そういった方々に対して行なっているアプローチ方法のひとつ。それは、「自分で自分を褒める習慣をつける」ということです。自分で自分を褒める…なんだか気恥ずかしいですよね。ですが、長期安定就労をしていく上で、とても大切な要素であると考えています。なぜならば、体調不良の原因としてよく見られる思考パターンの多くは「自分は、周囲の役に立っていないのではないか」「自分は何をやってもダメだ」「また、何か嫌なことを言われるのではないか」等、他者と比べたネガティブな自分イメージが影響を与えていることがあるからです。しかし、ついついできないことばかりに目を向けてしまうと、本来できていることや、やるべきことに目が向かなくなり、必要以上に自分自身を苦しめてしまう可能性があります。研修中にこのような様子が見られた方に対しては、心理教育なども交えながら、1日ひとつ「小さな目標」を設定し、スケジュール帳やメモに可視化していただくことを提案しています。
自分でちょっと頑張れば達成できる目標を設定すること”ここがポイントです!これを毎日コツコツ達成していくこと、そして達成したことが目に見えること。ほんの些細な習慣のように感じるかもしれませんが、「できたこと、できることに目を向けることで、自分に少し自信を持つことが出来た」とおっしゃる参加者は少なくありません。こころの安定を維持するためにも、自分自身を肯定的に捉える習慣づくりはとても大切だと考えています。

 

 

以上、3つの視点とアプローチについてお伝えさせていただきました。

少しでも皆さんの雇用支援にお役立ちできればと思います。

 

スタートラインが行なう研修について、少しでもご興味いただけた方はぜひこちらもご覧ください!

・研修案内:http://start-line.jp/news/newstopic/entry-173.html

・以前の記事:http://startnext.start-line.jp/archives/686

 
 


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この記事を書いた人

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StartNEXT!編集部
この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。

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