2017年6月28日更新

行動分析学で居眠り防止! 問題行動に対するアプローチ方法

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障がい者雇用を始めた企業のご担当者から、様々な相談を受けています。
障がい者の方のモチベーションが低く、業務が思うように進まないという声をよくお聞きします。行動分析学をベースにした取組みの事例をご紹介いたします。

 

【行動分析学とは】
行動分析学は、心理学者スキナー(1904-1990)が提唱した学問です。従来の心理学では、行動を起こす理由をその人自身に求めていますが、行動分析学では、人の行動(心の動きも含む)は、本人と周囲の環境との相互作用によって生じると考えました。

 

例えば

ご主人がお皿を洗う ➡ 奥さんが「ありがとう!」と言う

次回以降もご主人がお皿を洗う事は増えそうですね。

一方で

ご主人がお皿を洗う ➡ 奥さんが「きちんと洗えていないじゃない!」と言う

この場合は、ご主人がお皿を洗うという行動は減ってくるでしょう。

 

●ある行動をした直後に
●良いことがあると(褒められるなど)
●その行動が増える

このパターンを「強化」と言います。

●ある行動をした直後に
●悪いことがあると(叱られるなど)
●その行動が減る

このパターンを「弱化」と言います。

 

【事例】
我々が相談を受けた事例で、行動分析学をベースにした取組みをご紹介いたします。

ある企業の人事部の事例です。この会社では、障がい者を4名雇用し、データ入力作業を行っています。障がい者のチームを取りまとめている管理者の方はいらっしゃいますが、他の業務もあり、常にこのチームを見ていることはできません。

4名のうち1名(Aさん)が他の3人に比べて顕著に処理件数が少ないことが問題になっています。他のチームの方の情報によると、Aさんは作業中に何度も手が止まり、インターネットを閲覧したり、時に居眠りをしているということがわかりました。

管理者がAさんに注意をしたところ、Aさんはひどく落ち込み、自分はこの会社にいる意味がないと周囲に漏らしていたそうです。その後もAさんの処理件数は低迷したままの状態です。どうしてよいかわからず、管理者から我々に相談を頂きました。

 

管理者の方から状況確認をしたところ以下のことがわかりました。

・特別支援学校を卒業して初めての就労である
・元々、自己肯定感が低く、自分を責める傾向にある
・チームのメンバーとのコミュニケーションはほとんどない
・昼間に眠気が発生するような薬は服用していない
・業務中、Aさんの周りの方はAさんに関わっていない
・業務終了後に当日の結果を管理者にメールで報告する
・管理者からのフィードバックは週1回程度

 

今回のケースについて行動分析学をベースに分析しました。

就業時間中に居眠りをする ⇒ 周りの人が何も言わない
インターネットを閲覧する ⇒ 周りの人が何も言わない

Aさんの不適切な行動に対して、周りが何も干渉しないので、結果的にAさんの行動は「強化」され、習慣化していると考えました。

 

そこで、不適切な行動を減らし、適切な行動を増やすための施策として、以下の提案を管理者に行いました。

●1時間ごとに処理した件数を管理者に報告をしてもらう
●報告の際に、処理件数が増えている場には、承認するような言葉がけを行う
●処理件数が減っている場合にはその理由を聞いて、改善するためにはどうするかの言葉がけを行う

 

この対応を1週間続けたところ、Aさんの処理件数は従来の1.5倍になりました。
次の週は報告する間隔を2時間おきとして、徐々に報告する頻度を減らしてもらいました。
半年後の現在では、1日1回の報告のみですが、処理件数はなんと対策前の2倍となっていました。

 

就業時間中に居眠りをする ⇒ 周りの人が何も言わない

というパターンを

管理者に報告する ⇒ 褒められる

 

というパターンに変える事により、Aさんの適切な行動が「強化」され、不適切な行動(居眠りやインターネットの閲覧)が減りました。

仕事を通じて自信を持ち始めたAさんは、表情も明るくなり、他のチームの人とも積極的にコミュニケーションを取るようになったそうです。

 


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この記事を書いた人

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StartNEXT!編集部
この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。

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