たった3年で変更!?パラトライアスロンのクラス分け事情

Start NEXT!読者のみなさま、こんにちは。株式会社セプティメルスポーツの水上航太郎です。

 

5月13日(土)に2017世界トライアスロンシリーズ横浜大会のエリートパラトライアスロンの部が開催されました。毎年感じますが、世界トップクラスのパラトライアスリートが横浜に集結し、熾烈なレースを見せてくれるのは本当に貴重な場ですね。ただ、スタートが午前7時というのはなんとか見直してもらいたいところです。

 

パラトライアスロンを長く観ている方は気がついたかもしれませんが、2017年から新たなクラス分けが導入されました。以下に概要を簡単に紹介しますが、クラス数は5から6に増えています。

 

・PTHC(旧PT1):バイクをハンドサイクル、ランを車いすレーサーで走る(通常の自転車に乗れない、立位で走れない)選手で、障がいの程度が重いH1と軽いH2の2つのサブクラスに分けられます。

・PTS2~5(旧PT2~4):いずれも立位で、運動機能により各クラスに分類。

・PTVI(旧PT5):視覚障がいクラスで、B1(全盲またはほぼ全盲)、B2、B3(弱視)の3つのサブクラスがあります。

 

まず目を引くのは、PTHCにサブクラスが新設されたことでしょうか。H2の選手は男子3分35秒、女子4分48秒がゴールタイムに加算されるルールになっており、クラス内での障がいの程度の差を考慮したものとなっています。ちなみにPTVIクラスでは、旧PT5の頃からB2、B3の選手に男子3分16秒、女子3分42秒が加算されており、こちらはクラス内調整が既に行われていました。

 

そして、旧PT2~4がPTS2~5へと新たに分類されたこと。クラス数が4から5に増えたことで、立位の選手がさらに細分化されました。これにより、昨年までとは全然違う相手とレースをする選手も出てきており、戸惑いの声も上がっているようです。

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異なるクラスの選手が同時にレースするのがパラトライアスロンの魅力

 

さて、これまで使用されてきたPT1~5のクラス分けは2014年の横浜大会で正式に採用されたものでしたから、約3年で変更されたことになります。競技の公平性を担保するためにクラス分けを見直す作業は、これまでにも多くの障がい者スポーツで行われてきました。比較的新しい競技であるパラトライアスロンでは、それがまさにリアルタイムで進行中なのです。今年から導入の新クラスは東京パラリンピックではこのまま採用されると思いますが、その後再び見直しという可能性もゼロではないでしょう。

 

ちなみにパラトライアスロンではもう1つTRI1~6というクラス分けもあり、日本国内のエイジグループで採用されています。各クラスの関係が日本トライアスロン連合のHPにまとめられていますので、興味のある方はご覧ください。

 

2017世界パラトライアスロンシリーズ(WPS)横浜大会のクラス分け変更

http://www.jtu.or.jp/para/pdf/JTU_Class2017.pdf

 

20160623emori_rogo 株式会社セプティメルスポーツ
水上 航太郎
1981年札幌市生まれ。
1993年のJリーグ発足をきっかけに、スポーツ観戦がライフワークの1つとなる。サッカー好きが高じて大学卒業後にバルセロナに渡り、現地で日本向けのライター職などをしながら3年スペインに滞在。帰国後はIT関係職に就きスポーツを趣味として楽しんでいたが、2013年に株式会社セプティメルスポーツを設立し現在に至る。
趣味は旅行とスポーツ観戦。最近特に好きなスポーツはアメフト、クリケット、ボッチャ。
株式会社セプティメルスポーツ
パラタイムズ

 


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この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。

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