従業員数300人未満の中小企業が、障がい者雇用のためにできること

従業員数300人未満の企業を中小企業と言い、その中には経営的体力が厳しい企業も少なくありません。とはいえ、50人以上の従業員がいる場合には、企業の規模に関わらず、2.0%の雇用率達成が義務。中小企業にも、障がい者雇用における努力と工夫が求められてきます。そこで今回は、中小企業における障がい者雇用について、事例とともにご紹介していきましょう。

障がい者雇用の課題は中小企業にアリ!

調査によると、障がい者の雇用者数は年々、増加傾向にありますが、実雇用率は目標には満たっていないのが現状です。そして、従業員数が少ない企業ほど、実雇用率も低い傾向にあり、1000人以上の大企業が2.12%であるのに対し、500~1000人未満の企業では1.93%、300~500人未満の企業では1.82%、100~300人未満の企業では1.7 4%と従業員数が少なければ少ないほど、低い水準になっています。。

そして、50~100人未満の企業に至っては、1.55%という現状です。原因としては、求められる雇用率の割合と、実質的に企業が持つ経営的、人身的余裕が、必ずしも比例しないことにあるのかもしれません。

ノウハウや経営体力もあり、サポート体制が整えやすい大企業が10人の障がい者を雇用することにくらべ、中小企業が2,3人の障がい者を雇用することは、大きな挑戦になる場合が多いのです。

参照:【厚生労働省】平成 28 年 障害者雇用状況の集計結果

大切なのはなによりも準備!

中小企業が障がい者雇用をはじめるにあたり、まず壁となるのが、いま現在の業務に、障がい者がどのように取り組めるのかが、わからないということです。障がいといっても、多くの種類があり、できることとできないこと、向いていることや向いていないこと、必要な配慮が異なります。

そのため、各々の障がいを理解し、作業を切り出し、必要な環境を整える準備をする余裕がないケースが多いのです。とはいえ、やみくもに雇ってしまうと、従業員に教えることを負担にしか感じなかったり、障がい者が溶け込めなかったりして、職場定着が困難になってしまいかねないのです。

まずは、準備から行っていきましょう。世の中には、同じような悩みを抱えながら、失敗を繰り返し、安定した障がい者雇用にこぎつけた企業がたくさんあります。そして、そのような事例をたくさん見てきた、ハローワークや地域障害者センターなどに相談すれば、どのような手順で準備を進めていけばよいか、明確に計画していくことができるのです。

準備と管理で、精神障がい者の雇用に成功した事例

東京都で紳士靴卸売業を営む、ある中小企業は、セミナーへの参加や資料などから、理論的に障がい者雇用の理解に努めていましたが、実際の受け入れとなると、対応方法などに問題を抱えていました。そこでノウハウを求め支援を依頼したのが、東京都にある障がい者支援事業です。

まずは、支援スケジュールを作成。注文と配送部門への連絡という仕事を切り出し、受付や電話対応などの複雑になる業務を含めない方向で、募集をかけました。すると、2名の精神障がい者から応募があったのです。実習前に会社見学を実施ししたあと、1名が体験実習を行いうことになり、実習中に問題なく作業ができたことから、障がい者と会社、双方に安心感が生まれていきました。

その後、ハローワークからも1名の募集があり、雇用と言う第一段階を突破。雇用後は、日々日誌をつけてもらい、体調管理に役立てています。また、機関との連携も継続して行い、コミュニケーションの方法などを都度報告。継続した雇用ができているそうです。

支援機関等に相談することにより、企業目線では見えない、障がい者の特性や、切り出せる業務などが見えてくることも少なくありません。相談することで、しっかりとしたスケジュールや、準備手順を整えることができますし、障がい者に合わせた内容で募集することで、双方が安心して仕事に取り組めるようになるのです。

とくに中小企業の場合は、障がい者雇用に労力を割くのが難しいケースが多いもの。まずはこういった機関に相談して、できるだけ少ない労力で、効率よく障がい者雇用を行えるよう検討してみてはいかがでしょうか?

 


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この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。

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