2016年4月26日更新

社内での手帳保持者確認のためのガイドライン

, , ,

障害者雇用率制度や障害者雇用納付金制度の適用に際して、各事業主は雇用している障がい者の人数、障がい種別、障がい程度等を把握し、報告書に反映することが求められます。
しかし障がい者本人からは、障害者手帳を保持してはいるけれど、事業者側に伝えずに働いているケースがあります。
特に精神障がい者については制度自体が平成18年から施行と比較的新しいためこのようなケースが多いと言われています。
雇い入れている方が障がい者であるが、報告に反映されない場合に、企業側は雇用率を満たせなかったり、納付金が増加するケースもありますから、個人情報保護法をはじめとする法令等に十分留意しながら、社内での確認をおこなっておくことが望ましいでしょう。

そこで今回は、厚生労働省からのガイドラインをもとに、社内の手帳保持者の確認方法について紹介いたします。以下の順に紹介します。

  1. 呼びかけ方法
  2. 個人を特定して呼びかけを行うことができる場合
  3. 把握・確認に当たっての禁忌事項

1. 社内での呼びかけ方法

社内での障害者手帳保持者を把握・確認する場合の呼びかけの方法は、雇用する労働者全員に対してメールや書類の送付や配布などにより、画一的な手段で申告を呼びかけることを原則とします。

【呼びかけ方法として適切な事例】
例1:労働者全員が社内LANを使用できる環境を整備し、社内LANの掲示板に掲載する、又は労働者全員に対して一斉にメールを配信する。
例2:労働者全員に対して、チラシ、社内報等を配布する。
例3:労働者全員に対する回覧板に記載する。
例4:労働者全員が定期的に見ると想定される事業所内の掲示板に掲示する。
例5:労働者全員に対して、自宅に文書を郵送する。

【呼びかけ方法として不適切な事例】
例1:労働者全員が社内LANを使用できる環境にない場合において、労働者全員に対してメールを配信する。
例2:休憩室にのみチラシを置いておく。
例3:社内サークル等、ある特定の集団に対してのみチラシを配布する。
例4:障がい者と思われる労働者のいる部署に対してのみチラシを配布する。

【呼びかけの際に明示する事項】
申告を呼びかける際には、障害者雇用状況の報告等のために用いるという利用目的等の事項に加えて、「業務命令として、この呼びかけに対する回答を求めているのではないこと」を明らかにしましょう。

2.個人を特定して照会を行うことができる場合

採用後に障がい者を把握・確認する場合にも、上に紹介した原則以外に、例外的に、障がい者である労働者本人が、職場において障がい者の雇用を支援するための公的制度や社内制度の活用を求めて、企業に対し自発的に提供した情報を根拠とする場合は、個人を特定して障害者手帳等の所持を照会することができるとしています。

【照会を行う根拠として適切な例】
例1:公的な職業リハビリテーションサービスを利用したい旨の申出があった。
例2:企業が行う障がい者就労支援策を利用したい旨の申出があった。

【照会を行う根拠として不適切な例】
以下のようなものは、個人を特定することの根拠になりません。

例1:健康等について、部下が上司に対して個人的に相談した内容
例2:上司や職場の同僚の受けた印象や職場における風評
例3:企業内診療所における診療の結果
例4:健康診断の結果
例5:健康保険組合のレセプト

【個別の状況によっては照会を行う根拠として不適切な場合があり得る例】
例1:所得税の障害者控除を行うために提出された書類
例2:病欠・休職の際に提出された医師の診断書
例3:傷病手当金(健康保険)の請求に当たって事業主が証明を行ったこと

2-1 照会に当たっての注意事項

照会を行う際には、障害者雇用状況の報告等のために用いるという利用目的を明示した上で、障害者手帳等の所持の確認を行うこととします。その際、なぜ当該労働者を特定して尋ねるのか、根拠となる情報を明らかにし、本人に対して経緯を明確にすることが求められます。

また、照会は、企業において障害者雇用状況の報告等を担当する人事担当者から直接本人に対して行うことが望まれます。照会に対して、障害者手帳等の所持を否定した場合や、照会に対する回答を拒否した場合に、回答するよう繰り返し迫ったり、障害者手帳等の取得を強要してはいけません。

2-2 利用目的の明示等

個人を特定して障害者手帳等の所持について照会を行い、その労働者が障害者手帳等を所持しており、かつ障害者雇用状況の報告等に用いることに同意が得られた場合には、利用目的等の事項を明示して、その利用目的のために必要な情報の確認を行います。

3.把握・確認に当たっての禁忌事項

社内の手帳保持者の把握・確認に当たって、どのような場合であっても行ってはならない禁忌事項の一覧が下記になります。十分な注意をしてください。

・利用目的の達成に必要のない情報を取得すること
・労働者本人の意思に反して、障がい者であるむねの申告や、手帳の取得を強要すること
・障がい者である旨の申告または、手帳の取得を拒んだことで労働者を解雇したり、その他の不利益な取扱いを行うこと
・産業医等医療関係者や企業において健康情報を取り扱う者が、障害者雇用状況の報告、障害者雇用納付金の申告、障害者雇用調整金又は報奨金の申請の担当者から、労働者の障がいに関する問い合わせを受けた場合に、本人の同意を得ずに情報の提供を行うこと

【参考】厚生労働省
プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドラインの概要

 


障がい者雇用のことならなんでも相談ください
株式会社スタートラインは、様々な障がい者雇用支援サービスを提供しております。
興味をお持ちいただけた方は、まずお気軽にご相談ください。


この記事を書いた人

STARTNEXT!

StartNEXT!編集部
この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。

STARTNEXT!
障がい者雇用について最新の情報をメールで簡単に購読できます






この記事をシェアする