できないことより得意なことを!広汎性発達障がい者の能力を活かす仕事

近年、発達障がいという言葉を耳にすることが多くなってきたのではないでしょうか? 一見普通に見えるぶん、対応が難しいイメージの「広汎性発達障害」。しかし、特徴を把握できれば、その能力を生かす仕事を見つけることができるかもしれません。

広汎性発達障がいに含まれる障がいとは

広汎性発達障がい(PDD)とは、コミュニケーションや社会的な行動に障がいがあり、限定的かつ反復的な行動があることが特徴である発達障がいです。自閉症、アスペルガー症候群、レット障がい、小児期崩壊性障がい、などがこれに含まれます。

この「広汎性発達障がい」は、世界保健機関(WHO)の定めた、ICD-10(疾病及び関連保険問題の国際統計分類 第10版)に基づく名称です。そのため、アメリカ精神医学会が定めた、DSM5(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)による、自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害)として分類されることもあり、医療機関がどちらを元にして診断するかで、診断名が異なる場合があるようです。

発達障がいはなぜ働きづらいのか

広汎性発達障がいは、一見普通にできるように見えても、本来はサポートが必要なケースが少なくありません。そのうえ、現代社会においては、利益確保のために人員コスト削減が行われることも多く、従業員ひとりひとりがこなさなければならない仕事が、多岐に渡る傾向があります。あらゆる方面への理解や準備、情報の共有と判断などが求められていることが、多いのではないでしょうか?

このような状況は、コミュニケーションが苦手で、複数の情報を理解することが難しい発達障がい者の方たちにとって、あまり好ましい環境とは言えません。むしろ、たくさんのことを求められることで、おのずと、働きにくい環境となってしまっているのです。

集中力の必要な仕事には強い! 働き方をカスタマイズ

発達障がいを持つ方の場合、周りの人と同じように働くことは難しくても、周りの人とは違う仕事のスタイルに調整すれば、思わぬ能力を発揮できることがあります。

計画的な行動や、変化への適応はできなくても、静かで落ち着いた環境におき、得意なことや、興味のある業務内容を任せれば、普通の人以上の集中力を持って仕事をこなせることが珍しくないのです。

もちろん個人によって、能力を見極める必要はありますが、同じ作業を繰り返すルーティンワークには強い傾向があり、組み立てや品出し、清掃やデータ入力などで、一度やり方を覚えれば、非常に効率よくこなしてくれます。中には、芸術や研究といった専門分野で、天才的とも思える能力を発揮している方も少なくありません。

このような点を考慮すると、「広汎性発達障がい」を持つ方には、多くの作業をさせず、分野を絞ったり、量産したりするような働き方をカスタマイズするといいかもしれません。

当たり前にできることができない場合、できないことに注目してしまいがちです。しかし、得意な分野で頑張ってもらう配慮ができれば、発達障がいを持っていても、一戦力として、活躍していけるのではないでしょうか?もし、「広汎性発達障がい」を持つ従業員がいるのであれば、より能力を活かす業務調整ができないかどうか、再検討してみてはいかがでしょう?

 


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この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。

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