デリケートな思いやりを!女性障がい者への配慮

障がい者雇用において、「合理的配慮」が義務づけられているとはいえ、配慮に決まった形があるわけではありません。その中でも今回は、女性障がい者に対する配慮について、考えていきたいと思います。

女性障がい者に多い悩みとは?

女性障がい者にとって、もっとも多い悩みは、性的な嫌がらせや、セクハラを受けやすいということです。「DPI女性障害者ネットワーク」が行った調査によると、女性障がい者の35%が、被害を受けたことがあり、被害者のうち、6割が視覚障がい者で、2割が肢体不自由の女性障がい者だったそうです。目が見えない、声が出せない、手足が自由に動かせないといった状況にくわえ、職場などで障がい者であることに、立場の弱さを感じていると、そこにつけこまれるケースが目立ちます。

また、実際にそのような経験をしてない場合でも、男性と二人っきりになることに不安を感じたり、相手に悪意はなくとも、介助の際、不快に感じたりと経験のある女性障がい者は少なくないようです。このような女性障がい者への性的な面での配慮は、非常に注意をしなければならいないことです。

ひとりの人間、ひとりの女性として配慮する大切さ

雇用や働き方といった点でも、女性であることで、不利な立場にさせてしまっていないか見つめなおす必要があります。調査によれば、男性障がい者よりも、女性障がい者の有業率は少なく、経済的な自立は難しい現状があるようです。障がい者であるということに配慮はしていても、「女性だから」と働く機会をおろそかにすることがないように、職場の管理者や事業主は注意する必要があります。

実際に、「障がい者でも、女性なら無理に働く必要ないのでは?」「身体が不自由なら子育てだけで大変だろう」などと、就職することに否定的な意見を言われたり、退職を進められたりするケースもあるようです。女性であることで働く意思を奪われたり、働き方を勝手に決められたりしてしまうことがあってはいけません。まだまだ男尊女卑が目立つ時代です。この点に対しても、十分に注意しておきましょう。

障がい者女性に接する際に、気をつけておきたいこと

このような現状を考えると、障がいをもっていることだけでなく、女性であるということへの配慮も欠かせません。介助の際や、異性には言いにくいことを手話通訳する際など、不快な思いをしないよう、細やかな気使いを心がけましょう。雇用側が障がいに対する対策を行ったからといって、障がい者自身はそれ以外の部分で問題を抱えている場合もあります。

みなさんの会社では、こういった「合理的配慮」がちゃんとできているでしょうか。会社全体で、こういった問題と向き合うことも、障がい者雇用において大切なことといえるはずです。

障がい者が自分で強く生きられる社会も必要ですが、障がいを持っている人も、そうでない人も、お互いに広い視野で、優しさを示すことができれば、自然な配慮ができるようになるはずです。いま一度、障がいを持つ女性授業員との向き合い方について、考えてみてはいかがでしょうか?

 


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この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。

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